先日、せのあにハウスに新たな3匹のザリガニがやってきました。
その名も『サーモン三姉妹』。
結果から言ってしまうと、3匹の内2匹は数日の内に亡くなってしまったのですが…
この記事では、少しの間だったけど一緒に過ごした生活の記録を書き残させて頂きたいと思います。
前置き:せのあにとザリガニ
簡単にせのあにとザリガニの歴史を説明します。
今まで一緒に暮らしていた子たちのお話はこちらです↓
三姉妹を迎える理由
詳しい話は、前回までの記事『サモちゃん』・『せのあにと2号』に書いてありますので、
ここでは要約させて頂きます。
どうして1匹だけではなく3匹なのかというと、
『お友達』や『お嫁さん』という役目を押し付けてしまうような気がしていたからです。
そんな『役目』なども一旦置いておいて、
せのあにが1年前に3匹のザリガニに出会った時と同じように
新たに3匹のザリちゃんと生活を始めて、おまけで2号と仲良くなってもらえたらいいなという方針で迎えたいと思いました。
どうして野生のザリガニを捕まえないのか
サーモン三姉妹は、遠方の店頭にて餌用ザリガニを購入することに決めていました。
理由は、せのあにが私的に気にしている以下のような考えのためでした。
この1年間、2号と暮らしてザリガニが大人になるのは大変なんだなと感じたせのあに。
そう考えると『自然の中で大人になれたザリガニ』は、その環境と相性が良い可能性が高いんじゃないかな…と思います。
そんな子を全く違う環境に連れてきてしまうのは、強いストレスを与えてしまうかもしれない。
なのでせめてお互いに利のありそうな、『餌用』として売られている子を探してみようと考えたのでした。
三姉妹の受け入れ準備
1年前は、知識もゼロでとりあえずザリガニを捕まえに行き、
その結果2匹の子ザリガニ(1号と2号)を死なせてしまいました。
次に大人ザリガニのサーモンちゃんを迎えた時は、
サモちゃん自体の安全に考えが及ばず、生かしてあげられませんでした。
そのことから、今回は水槽や水質など、しっかりと準備してから挑みました。
素早く測れる水温計や、ph(水素イオン指数)という
水が酸性かアルカリ性かを計る試験紙なども用意して、水質チェックをしてみたりしました。
餌用ザリガニ探し
せのあには3匹のメスザリガニを店頭購入するにあたって、
まずは最寄のペットショップや熱帯魚屋さん、ショッピングモールまで何件も探して回りました。
しかし店員さんに聞いてみても、入荷の予定も無いらしく…
でも諦めずネットでお店を探していたら、
せのあにハウスからだいぶ遠いけど、確実に生餌ザリガニを扱っていそうなお店を発見。
外観はとても小さなお店だけど、すごくデザインが良くて見やすいお店のホームページに、
『生餌も豊富に取り揃えております!』とザリガニの写真や、通販ページまであったので
「これは絶対に居るだろう」と確信できたせのあには、すぐに予定を立てて、遠方のそのお店へ直接向かうことに。
車で片道2~3時間、せのあには車の運転が得意ではないけど、
意を決して出発するのでした((
サーモン三姉妹がやってくる
熱帯魚屋さんへ向かう当日、用意していったものはこんな感じでした。
ザリガニは『温度の変化(激しい差)』に弱いらしいので、
その日はまだとても暑かったため、温度を保つための道具を考え持っていきました。
片道2~3時間かかってしまいますが、こうすれば
ストレスも低めに運んでこれるのではないかと考えたのです。
それがまさか、何一つ役に立たなくなるとも知らず…。
いざ熱帯魚屋さんへ
案の定道に迷いながら、がっつり3時間ぐらいかけて((
お店に到着すると、思っていたよりさらに小さなお店でした。
ちょこっと広めのプレハブ小屋みたいな感じ。
熱帯魚ショップの最先端か…?!と思えるぐらいのホームページだったのに…←
お店の中には、店主らしきおじさんが一人だけ居ました。
店内に並んでいた水槽を全部見てみたけど、たくさんのザリガニなんて見当たらず。
なのでせのあには直接「ザリガニの大人のメスを3匹欲しいんですけど…」と聞いてみました。
すると、
「メスを3匹??珍しいお客さんだね~!」
と、店員のおじさんが気さくに笑いました。
ザリガニ専用の生けす
「それじゃ、見に行きましょうか~」と、
中型のケースに少量の水を汲んで、お店の裏へと案内してくれる店員さん。
どうやらお店の裏にザリガニはいるようです。
(お店の裏=駐車場で、せのあにはそこに車を止めてお店にやってきたので「えっザリガニ駐車場にいるの…?」と驚きました←)
お店の裏には、
ブロックレンガの塀と大きな木のフタで出来た、四角い井戸みたいなものがありました。
大きさは横2m×縦1mぐらい?(うろ覚え)の、『ゴミ捨て場』っぽい感じの見た目。
どうやらそこがザリガニ専用の生けすになっているようでした。
熱帯魚ショップが、ザリガニをどんな環境で飼育しているのか気になっていたせのあに、
店員のおじさんと一緒に中を覗き込んでみると…
それと、生けすの奥に管があって
水流が出ているような、そうでもないような…((
まさに『生けす』という感じの環境でした。
餌用ザリガニに与えているエサは?
これからせのあにハウスという全く別の環境でザリちゃんに暮らしてもらうゆえ、
今まで何を食べて生きてきたのかは知っておきたかったので、おじさんに質問してみました。
「エサって、何を食べてるんですか?」
そう聞くと、
「エサ? ・・・・・・・・・」
なぜか5秒ぐらい謎の沈黙((
そして思い出したかのように、
「・・・あっ、根菜は大好きだよ!さつまいもとか、ニンジンとかね!」
と教えてくれました。
妙な間のせいで「実際、なに食べさせてたんだろう…」とちょっと怖くなってしまいましたが←
他にも「小さく四角く切ってあげるといいよ。大きいとケンカするからね~」などと教えてくれたので、
基本的に野菜などを多めにもらっていたのかもしれないな、と推測しました。
ザリちゃんとご対面…『餌』の扱い
話しながら「メスザリガニは…ええと…」という感じで、引き上げる子を選ぶ店員のおじさん。
どうやらザリガニに挟まれるのがちょっと怖い(??)ようで、
人差し指と親指でツマむポーズを取り、生けすに素早く手を突っ込みました。(生けすの高さは50センチぐらいで捕まえるのは結構大変)
そして、3匹の女の子ザリガニが…
ポイッ! ポイッポイッ!
ビタンッ!!という音を立てながらケースに叩き込まれました…。
せのあにはショックで気絶するかと思いましたが、
考えれば『餌』の扱いって、他の魚とかでもそうだよなって…。
店員のおじさんは全然『悪い人』になんて見えなかったけど、
ザリガニに対しては『餌』や『ただの売り物』という感覚しか無いようでした。
「あっ、こっちの方が大きいかも、交換する?」なんて言って、
お客さんに対しては良くしようと接してくれるので…
(先に選ばれた3匹のザリガニが可哀そうすぎるのでその提案は断りました((
早く安全に連れ帰らなければ…予想外の問題
とにかく早く、帰ってザリちゃんのケアをしないと…
という気持ちで頭がいっぱいだったせのあに。
「その3匹でお願いします」と梱包をお願いすると、
なんと玉ねぎとかを入れる赤いネットに3匹を入れました。
「袋(熱帯魚用の酸素袋)に入れて下さい」と言っても、
「ハサミで袋やぶいちゃうからなぁ」と入れてくれませんでした。
せめて水をもらわないと…と、
まさか袋に入れてもらえないとは思っていなかったせのあには、保温用に持ってきていたクーラーボックスに直接水を注いでもらうことにしました。
けれどなんとか水を入れてもらったものの、なぜかザリちゃんの足すら浸からないぐらいの少量…。
そしてクーラーボックスの中に入っていた保冷剤を見て、
「おお~これがあれば大丈夫!」という風に、『保冷剤で(水に直接入れて)冷やしながら帰れば死なない』と言う店員のおじさん。
温度の変化に弱いと言われているザリガニにそんな事アリ?と思い、
「帰るまで車で2時間かかるんですがそれまで大丈夫(生きてる)ですか?」と一応聞いてみましたが、
「ダイジョーブ!(生餌の)発送する時もこうやってるし」みたいなことを言われてしまいました。
それはつまり、『無事に生きていられる』というより『鮮度を保てる』という意味の大丈夫、なのでは…。
「ていうか車で2時間もかけて、ザリガニを買いに来たの?ま~た、珍しいお客さんだね~」と笑うおじさんの横で、内心ゲッソリするせのあに((
きっと店員さんは、『飼育のためのザリガニの生かし方』を多分知らない。
これ以上聞いても埒が明かないし、素早く会計を済ませて、その場を後にしました。
赤いネットから3匹を出して、保冷剤は取り除き
温度は23~25度ぐらいだったので、クーラーボックスのフタの部分にタオルを挟んでスキマを開け、そのまま全速力で家に帰ることにしました。
急いで帰宅
行きは迷ったものの帰りは道が解っていたので、車を飛ばして帰路を急ぐせのあに。
2時間後、なんとか家に着いて、急いで三姉妹の水合わせを開始しました。
水合わせというか、合わせるほどの水も無いので
作っておいた水をゆっくり足していく感じでした。
それぞれの水槽へ(三姉妹の個性)
水に慣らし終わって、3つの水槽にそれぞれ入ってもらいました。
右から順番に、3匹の説明をかるく書きます。
ノルウェーちゃん
1番目(右)の子はノルウェーの『ノルちゃん』
熱帯魚ショップで、一番最初に叩きつけられて
家に帰ってからも這うように歩いてしまっていました。
酸素石なども足して、すぐに療養開始。
チリちゃん
2番目(真ん中)の子は『チリちゃん』
水カビまみれで、好奇心旺盛な女の子。
水槽に入れた直後から、2号みたいにあちこち探索して、土管にスッポリでした((
カナダちゃん
3匹目(左)の子はカナダの『カナちゃん』
熱帯魚ショップで店員のおじさんの手を挟んだ子ですね((
左のハサミが小さく、とにかく常時ハサミをあげていて、威嚇しつづけてる子でした。
三姉妹の違い
三姉妹の特徴をまとめるとこんな感じです。
小さい時から一緒にいた2号とは違って、
みんな『野生のザリガニ(もしくは沢山のザリガニと一緒にいた子)』だなぁとハッキリわかるぐらい、人慣れしていないように見受けられました。
驚いたのは、3匹とも暗闇で飼育されていたからか
目が退化しているのか、グレー ~ 白っぽい眼をしているのです。
ついでにですが、これまでのザリメンバー『2号』と『サモちゃん』はこんな感じ↓
ザリガニって一見みんな同じに見えて、
けっこう見た目も個性も違いがあるんですよね。
ところでなぜ『サーモン』?
2号の初めてのお友達が『サーモンちゃん』なのは、2号の好物から名を取っていたからです。
そして2号のお友達計画再始動ということで、サーモンからの派生(?)で主要生産国から名を取りました((
三姉妹の飼育日記
3匹のその後のお話です。
三姉妹の観察記録
結果から言ってしまうと、ノルちゃんとカナちゃんは数日の内に亡くなってしまいました。
それまでの短い間ですが、観察記録を残しておきたいと思います。
ノルちゃん
ノルちゃんは常に体を低く、ハサミの間にうずくまり
思うように動けないようでした。
ノルちゃんは目が特徴的で、
白い濁りが下半分にあり、まるで『涙がたまっている』ように見える顔で、これがまた心いたみました…
威嚇する体力も無いようで、
市販のフードや、ニンジン・赤虫などあげてみても、全然手を付けず。
たまに土管に入ったりもするけど、終始落ち着かないようで
常に苦しみ這って回っている…という感じでした…。
チリちゃん
唯一ダメージが少なかったらしきチリちゃん。
けれど水カビの浸食具合が一番ひどい子でした。
でもそんなこともお構いなしというか、
水槽に入れたそばから探索を開始して、こちらにも興味深々でした。
姉妹を迎え入れた同日に2号が亡くなってしまうという事件もあって、「2号が乗り移ったんじゃ…」なんて思ってしまうぐらい、好奇心旺盛なところが似通っていました(笑
すぐに土管も気に入ったようで、我が物顔でくつろいでいました((
カナちゃん
左手が小さく、常に威嚇しているカナちゃん。
体も柔らかい?のか、背中を掴もうとしても、
強く反り返ってどこまでもハサミで追従してきます(苦笑
ニンジンをあげると、我先にと掴んで
もう、抱きしめて離しませんでした((
カナちゃんは一番食欲も旺盛で
威嚇しながらも、常に食べるものを求めているようでした。
加えて恐ろしく早食いです((
ザリガニのフンって…(新たな気づき)
ご飯をあげてしばらくすると、カナちゃんの水槽にとあるものが…
「あれ?こんなエサあげたっけ…」なんて思っていると、
どうやら『フン』だったようです((
実は2号と1年間暮らしている中で、こんなまともなフンを見たことがありませんでした。
カナちゃんのを見て初めて、2号が排泄異常?だったのではないかということに気が付いたのでした…。
その後数日、カナちゃんは元気に暮らしているように見えましたが…
とても臆病で、土管の中で隠れ続ける内に
徐々に弱っていってしまいました。
ノルちゃん・カナちゃんが星に…
家にやってきて2日後ぐらいにノルちゃんが、
その後数日ほどしてカナちゃんが亡くなってしまいました。
もしかしたらカナちゃんも、見えない所を負傷していた可能性もあったのかもしれません…。
自分達が買いに行こうとしなければ失くならなかった命でした。
ほんとうにごめんなさい、ノルちゃん、カナちゃん。
チリちゃんは2号水槽へ
念入りに準備していた3つの水槽は、チリちゃんだけが残されてしまい…。
2号が使っていた60センチ水槽も空いていたので、チリちゃんには大きい水槽に移ってもらうことにしました。
やはりチリちゃんはすぐに慣れて、のんびりニンジンをかじっていました((
とても元気な子です(笑
せめてチリちゃんには、ノルちゃんとカナちゃんの分まで
せのあにが出来る最大限のことを尽くしてあげたいと思います。
まとめ:『通販』も『遠くのお店で購入』もベストじゃなかった
今回の体験のまとめです。
特にこの2点かなと思います。
せのあにも熱帯魚屋さんに行ったあの日、
投げられた時点でパニックになってしまったので、焦らないでもっと「破られてもいいので袋に入れて下さい」とか、
「水をもっと入れて下さい」と最後までお願いすればよかったと後悔しています。
以上で、サーモン三姉妹を迎え入れたお話兼、遠方の店頭でザリガニを購入する体験談は終わりになります。
ここまで読んでくれた人がいましたら、ありがとうございました。
残ったチリちゃんのその後の話や、後々やってくる第二世代ザリちゃん達の話もこれから書いていきますので
よければ読んでみて下さい。
おまけ:チリちゃん
2号水槽に移ってから、しばらくしたある日…
なにやら水槽のど真ん中で、じ…っとしているチリちゃんに遭遇。
なんだか様子がおかしい…でも元気が無いとかじゃなくて、
『お取込み中』という感じ。
なんだろ…?と横から覗き込んでみると…
えっ?
(お腹の下と尻尾の方になんか見える)
タマゴ産んでたーーー・・・…!!
なんと、チリちゃんはこの家に来る前に交尾が済んでいたのか、
1ヶ月ほど経ったある日、突然たまごを生みました。
この環境なら安心かなぁ、とか、チリちゃんは思ってくれたのかな…。
色々ザリちゃんのことで悲しいこと続きだったせのあに、
ゲンキンながらもまさかの贈りものに、おおよろこびです((
本当にザリガニの赤ちゃんがちゃんと生まれてきてくれるのかも、無事に孵せるかもまだわかりませんが
全力でチリちゃんたちをサポートしていけたらと思います。